

箭内:金髪でいまいちなものをつくっていたら恥ずかしいですから(笑)。タクシーの運転手さんからも『目立つから、止めやすかったよ』、とほめられるくらい、派手な服装が多いです。vividな色を身につけているとそれが自分の視界に入って目が覚める(笑)。慢性の睡眠不足にも効果があります。
箭内:そんなことはないんですが、でも一日中同じ服で過ごすことは、ほとんどないです。プレゼンとか打合せとか、その時の仕事に合わせて、多い日だと、一日に5回着替えることもあります。その場所、その相手を一番楽しめる服装をしていないと不安になるんです。ジョッキーの勝負服みたいなものかな。戦闘態勢に入れる。自分の力がふくらむ気がするんです。だから、テレビに出るから衣装を着る、というわけではなく、普段着もすべてが“衣装”という感覚です。
箭内:そうですね。メガネは全部で5本くらい持っています。実は、メガネ歴は浅いんですよ。視力が落ちてきて、メガネを掛けはじめたのはここ一年くらいです。でも、気分を変えるためのアイテムとしてメガネは重要ですね。もともとオンとオフの区別をつけないことで、人と違うものをつくってきたんだけど、テレビに出るようになって、テレビの自分と普段の自分をつなぎながら引き離したいと思うようになってきたんです。
箭内:全体的に店内のつくりが大胆だな〜、と感じました。特に興味深かったのは「鏡」です。フィッティング用の鏡が天上からぶら下がっていたでしょ?それに、全身が映る鏡が店内にひとつしかなかった。「鏡」には、空間のデザイン的なものか何かジンズの秘密が隠されていると思うんですよ(笑)。あとはやっぱり、メガネが完成するまでの時間が早いなと感心しました。
箭内:う〜ん。派手なものを選ぶと思いきや、自分でもちょっと意外な選択になりましたね。気持ちが楽でいられるようなメガネというのが基準でした。最初に透明のフレームのメガネを選んだんですが、透明って、世界が閉ざされていない感じがいい。世界を縁取りたくないんです。
箭内:本当にいいものを安く提供してみんなから喜んでもらうことに価値があると思うんです。そう考えるのは、お客さんに喜んでほしいがために、採算度外視で菓子屋を自転車操業していた父親の影響でしょうね。赤字を出しながらフリーペーパーの発行を続けているのも、もしかしたらそんな父親の気持ちに近いものがあるのかもしれません。
箭内:何だろう? いいものを安くするのはカッコいいんだけど、その先にある世界観を提示してくれたら、もっとジンズにドキドキする。何のために安いのか。メガネにたくさんのお金をかけずに済んだことで、世の中やそれぞれの人たちにどんな素敵な変化が起きるのか。メガネ業界の常識を破りつづけているジンズには、もっともっとメッセージを発信していくブランドになってほしいです。
